今年100周年を迎える名古屋控訴院(現市政資料館)は建てられたのは大正11年ですが、かたちや構造は明治建築後期の作品として位置づけられます。当時から見ると時代遅れのデザインでも、現在から明治建築として見たとき、そのクオリティの高さは目を見張るものです。ドイツのネオ・バロック様式を基調にアールデコ風の抽象化された造形があしらわれ、レンガタイルとのコントラストが美しいです。いっぽう内観については、2階のバロック階段の壮麗さ特に目を引き、この吹き抜けの空間と光の効果を得るためには、構造的な工夫が施されています。それら建築デザインや構造と内部空間のドラマティックな造形を理解するには実際にスケッチを採ることが何よりも近道!じっくりと対象を見て、手を動かすことで「どうして美しいのか」を体感してみましょう。今回のツアーでは、レンガ壁に囲われた中庭や大階段の吹き抜け上階のバルコニー、さらに玄関ポーチの上を特別拝観させていただきます!市政資料館が大切な物語をもつ名古屋にとって重要な建築であることを知ってもらえるツアーです。