人の暮らしの端境に、あやしい世界は広がります。今回の舞台は、中区・金山界隈。片方しか生えない葦の謂れに、悪鬼を滅した男の跡地。日本最古の仏教説話集にも残る雷の申し子に、片目しかない鮒、雨を呼ぶ尻切れタニシ。そして、謎の「一目連」の信仰と、広く伝わる龍伝説まで。光があるところに、闇が生まれます。この街歩きでは人の営みの中で生じる、仄暗い部分に焦点を当ててみたいと思います。心中の舞台もあれば、ギャンブルの場もあります。寺町からホテル街まで、様々な人の営みを抱え込む街だからこそ広がる仄暗い世界を、一緒に覗いてみませんか。