名古屋の文教のまちである「八事」は高低差ある土地に根ずいています。坂道をのぼりきって振り返ってみる。今のぼってきた坂道のしたに広がる住宅地、その向こうの緑、高層ビル群、秋の黄昏どきの坂道をめぐり、小さな美術館・ギャラリー探しの八事の高低差歩きにでかけます。丘陵地の中腹に「桑山美術館」におじゃまします。名古屋市昭和区の閑静な住宅街に位置し、丸みを帯びた緑の屋根とベージュのタイル壁の外観はヨーロッパの古城をほうふつとさせる美術館です。近代の日本画、茶道具を中心とした所蔵品について学芸員のレクチャーをお聞きして、展示室、庭園、茶席をゆったりと館内を巡ったあとは、屋上にあがり、今歩いてきた八事丘陵地を振り返り、濃尾平野、養老、鈴鹿の山を眺望を楽しみます。