和ろうそく屋さんは今では全国で約20軒程度しかないというのをご存じでしょうか。

愛知県岡崎市は古くから寺院が多かったため、仏事に欠かせない「和ろうそく」の産地となりました。その岡崎で1720年に創業し日本で最も長い歴史を持つ磯部ろうそく店は、今でも創業当時と同じ材料・方法で職人が一本一本手造りで和ろうそくを製造し、300年前の江戸の人々が見た光を現代に伝えています。

現在多くの家庭で使われている洋ロウソクと和ろうそくを比べると、たくさんの異なる点があります。最大の特徴は独特の揺らめく蝋光で、風がなくても揺らぐ炎は神秘的な何かを感じさせます。また、主な原料が純植物性でパラフィンを含む洋ロウソクに比べて、燃焼したときに出る煤がサラサラしており、お寺の煌びやかの仏像等を維持するのに適しているとのだそうです。

このツアーでは、日本文化と灯りの話や暗闇の中で独特の揺らめく蝋光をじっくりと鑑賞していただいたり、工房を見せていただいたり、絵付け体験をさせていただいたりと和ろうそくの魅力にたっぷりと2時間浸っていただきます。いまはスイッチひとつで灯りが点く時代ですが、ろうそくが貴重だった時代の寒い冬に見る和ろうそくの火は、どれほど心を温めたことでしょうか。ツアーを通して見た目にも心にもあたたかい和ろうそくの灯りを体感してください。