今、どれだけの人が“噛み締める美味しさ”を味わっているでしょう。

岐阜で唯一無二の熟成肉を提供する焼肉の名店、ファンボギの高橋さん。今から10年ほど前のこと。飛騨の豪雪地帯で雪のかまくらを作り、牛肉をぶら下げて熟成の実験をはじめました。地球温暖化が叫ばれて久しく、飛騨に雪が積らない日がいずれやってくるでしょう。高橋さんの実験は、地球温暖化を止めるための反発と挑戦でもありました。

微生物と酵素の働きによりタンパク質が分解されて、旨味が増した肉は、炭火で丁寧に火を入れることで、噛みしめる美味しさの肉となります。

時にエロティックにさえ感じる熟成肉は、どう作られるのか、どう焼いたら美味しいかといった話を聞きながら、命をいただくことの意味を含めて、“考えながら感じる食事”を実践しましょう。めくるめく熟成肉の世界を、どうぞお楽しみあれ。