「この麺は1ヶ月前の仕込みです、ちょうど今日と同じ満月の日でした」とか「こっちは新月の日に仕掛けたもの」とか「台風の日は麺にとって気圧がちょうど良いんですよ」とか。めん亭はるもとの店主は、料理を出すたびにこんな説明をつける。

すべての麺を手打ちし、様子を見ながら何十日も熟成させ、理想形になるまで子どもを育てるがごとく、面倒をみる。当然、歩留まりが良いわけがなく、熟成させるほど料理に使える部分は少なくなっていくが、それでもちょうど良い頃合を見計らって、最後の仕上げをする。

“変態麺野郎”がつくる麺のフルコースは、テレビ番組で某ギタリストが絶賛した唯一無二の焼きそばや、ジャンルを超えた冷やし中華、にゅうめん、カレー麺など、その時によって内容が変わるため、事前にお知らせができない。その日の麺の熟成度合いによってメニューが決まるからだ。何が出てくるかわからないけど、麺料理が6品ほどあるので、じゅうぶんにおなかを空かせて臨むことがなにより肝要である。麺好きなみなさまに、ぜひ変態麺の世界をお楽しみいただきたい。