今から116年前の明治41年、地元の実業家・岩瀬弥助が、本を通した社会貢献を志して創設した私立図書館として誕生した西尾市岩瀬文庫。全国の古書店や古美術商などから蒐集した蔵書は8万冊余り、国の重要文化財「後奈良天皇宸翰般若心経」(戦国時代)をはじめ、その多くが江戸時代以前の書物=古典籍です。

骨董的価値が高い、かしこまった書物ばかりではありません。名もなき人が日常をとつとつと綴ったような素朴な本も積極的に集められており、教科書には載らないようなその時代の暮らしぶりや思いなどを窺い知ることができます。

このツアーでは、「音」にスポットを当てて古典籍を楽しんでいただきます。
むかしの人々はどんな風に音を聴き、楽しんでいたのでしょう。たとえば、「にゃーにゃー」「ワンワン」などの擬音語で表す犬や猫の鳴き声も、かつての日本人は現代の私たちとは異なる音に聞こえていたようです。生活の中で聞こえる音、珍しい楽器の調べ、まるで暗号のような楽譜などなど、当時の人が書き残した書物のホンモノを手に、かつての日本に響いていた音を”読んで”お楽しみください。